昨日、息子とまたケンカになりました。きっかけは、いつもながらに些細なこと。
人見知りで感覚が過敏がちな彼は、髪が伸びてくれば、私が家でシャキシャキ切っています(床屋さんでじっと座ってカットしてもらうことができるとは、到底思えないので)。が、彼に取っては、私に切られる不快指数も相当なもののようです。
日曜日、カットに万全の態勢で挑もうと、彼には数日前から「この週末に髪切ろうね」と予告し、当日は好きな動画を好きなだけ観せながら、首にはタオルを柔らかく巻いて百均ケープをかぶせ、そして、優し~く穏やか~に声をかけながら、慎重にカットを進めます。
が、しばらくすると、首元が苦しいだの(ケープをゆるめることに…)、服に入ってチクチクするだの(ケープをゆるめたせい)、切った髪が顔についただの(動き回ってるせい)、ハサミが頬に当たっただの(いやそれ私の指)、クレーム大炸裂。キャーキャー大声で騒ぐ息子に、イライラを次第に募らせる私。
嫌がる息子はジタバタ暴れ、ケープに溜まっている髪の毛を(わざとではないのですが)床にぶちまけてしまい…。私のイライラは沸点に達し、「お母さんはもう切らないから、今度はお店で切ってきて!」と、つい苛立ちをぶつけてしまいます。
私の怒りに触れた息子は、髪の毛をこぼしたことを素直に「ごめんー」と謝り、続けて、泣きじゃくりながら「死ぬーー」という言葉をもらします。
今までも嫌なことがあると、「死ぬ」という言葉を使うことがありました。幼い子どもにとって、それは「嫌な気持ちを感じなくなる」ための短絡的な方法なのかもしれませんが、親としては聞きたくない言葉です。
その度に、「お父さんにもお母さんにも誰にも会えなくなるよ」「何も出来なくなるよ」「あなたがとても嫌な気持ちなのは分かったけど、すごく重くて聞くのもツラい言葉だから、使わないで。他の言い方にして」などと色々言ってみるのですが、彼にはなかなか届きません。
また、本人にとって「死にたいほど嫌な気持ち」であることは確かなようですし、それを「口に出すな」と言っては、大人になった時にツラい気持ちを人に伝えられないようになってしまう気もして、全面禁止したくはないのですが、かといって、6歳児に他にどう表現するよう言えばいいのか、よく分からずにいます。
が、私のウロウロした悩みを飛び越えて、彼はそのセリフを使った理由を、ハッキリと説明してくれました。
「だって、カパをお世話してて、お母さん疲れてるでしょ?カパがいなくなったら疲れないでしょ?」
理由は毎回同じわけではないと思いますが、今回に限っては、私が苛立ったことで「自分のせいでお母さんを疲れさせているから、自分がいなくなってしまえばいい」と思わせてしまったのです。正直なところ、申し訳ない気持ち以上に、息子がいじらしくて、いたいけで、愛おしくて…。ギュウッと抱きしめました。
「違うよ、『お世話したくない』なんて思ってないよ。お母さんは疲れてることはあっても、カパのお世話はしたいんだよ。本当にしたくないなら、何もできなかった赤ちゃんの時の方がずーーっと大変だったんだし、とっくに止めてるよ。カパが大きくなって、一つずつ出来ることが増えて、一人で全部できるようになるまで、カパが大事だから、お世話したいんだよ。」
私は、何をどう伝えればいいのか纏まらないまま、言葉をたどたどしく選びながらで、どれだけ伝えられたかは分かりません。それでも息子は、少しはにかんだ表情を浮かべて「えー?」と呟いた後、全然別の遊びの話にパッと切り替え、照れたように笑っていたので、何かしら伝わったのかな、と信じています。
「あなたが大好きで、何より大切だよ」という気持ちを、毎日のように伝えているつもりでしたが、親の態度にそう思えない節が少しでもあれば、子は一気に不安に押し潰されてしまうのかもしれません。だからこそ、言葉だけでなく、態度でも、何度も何度も示していこう、と反省させられた出来事でした。